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2016年8月 3日 (水)

儚き命に花束を

先月28日、可愛がっていた金魚が逝去した。


前日まで元気にしていたのに、この日見にいくと力なく浮いていた。おもわず名を呼んで「しっかりしろ!」と声をかけたのだが、残念ながら時すでに遅く。彼(もしくは彼女)は短い生涯を終えたのである。




私だけかもしれないが、常から人とばっかり関わる仕事をしていると、それ以外の生物に癒しを求めたくなる。彼らの心は純粋でまっすぐでわかりやすい。一緒にいても腹の探り合いをしなくていいし、なにより疲弊せずに済む。

とにかく関わっていてなのである。全人類がこうだったら…と思わざるをえない。今でも週に1度は脳裏に浮かぶ。今の仕事を辞めて動物園の飼育員に転身したいと。





で、しばらく金魚ロスで気持ちが塞いでしまった。

何が悪かったんかなぁ…。餌が少なかったんかなぁ…。水替えを丁寧にしなかったせいかなぁ…。もっと私が手をかけてやれば死なずに済んだかもしれないのに…。

などなど、いらんことを考えて相当な時間を無駄にした。相手が物言わぬ小さな生物であるほど責任を感じてしまう。彼らの命は恐ろしいほどあっさりと自分の手からこぼれ落ちていく。人間としてもっとしてやれることがあったんじゃないか、死んだのは自分のせいではないか、云々考えて夜眠れなくなったりもする。



動物は全般的に好きだが、失ったときがつらいから、という理由で飼育することは少ない。なんて言いながらアゲハチョウの幼虫を育てたりしますけどね。自然界の生物に手を出すのはよくないと思いながらも、雨に打たれている幼虫を見るとつい家に入れてやりたくなる。



つい最近など、アゲハチョウが卵を産みにくるミカンの低木に蜘蛛が巣を張っているのを見つけ、どちらの利益を取るかでものすごく逡巡した。巣を壊せば蜘蛛が餌を取れなくなるし、そのままにしておけば蝶が仕留められるかもしれない。

結果、心の中で謝りながら蜘蛛の巣を壊すことを選んだ。せっかくきれいな巣を作っていたのに、すまん。


…そういえばどうでもいい話だけど、中島みゆきさんの「糸」って歌があるじゃん。あれを聞くと私の脳内にはきれいな蜘蛛の巣が出来上がるんだよねー。縦糸と横糸を張り巡らし、空中に出来上がる美しい蜘蛛の巣。ああいうのを自然の神秘っていうんだろうなぁ。






そんなこんなで、今日やっと金魚の墓参りをする気になり、ひとりで埋葬場所まで行ってきた。なんの種類かわからないが、たくさんの低木に囲まれた涼しい場所である。墓の前にしゃがみ込んで手を合わせたとき、ふと目に入ったのは蝉の抜け殻である。


よく見ると、低木の下の地面にはいくつも深い竪穴が開いていた。あっ、これ! 蝉の幼虫が地中から這い出し、低木にとまって羽化したあとじゃない!? うわー、見たかったなぁ!と金魚のことも忘れて大興奮。

そういえばよく蝉と出くわす場所だと思っていたんだよね~。あれはもしや羽化したての成虫だったのか? 6~7年前から地中にいたとすれば私より重鎮ではないか。彼らは老い先短いひと夏の命であるが、その間にたくさん恋をして、子孫を残して、精いっぱい生きてほしいものだ。


小さいころは弟と一緒に虫かごがいっぱいになるまでセミとりをしたもので、今でもそんな悲鳴を上げるほど嫌いではない。まぁ、あんまり好んでは触らないけどね…。昔は蝶もトンボもバッタもよく捕まえたよなぁ。





…そういえばまたまたどうでもいい話だが、皆さんは子どものころショウリョウバッタを「しょうゆバッタ」と呼んでいませんでしたか? 奴を捕まえて指で押すと茶色い液体が分泌され、それを舐めると確かに醤油っぽい味がした。今から思えばとんでもない話だが、子どものころはみんなこぞってバッタの分泌液を舐めたがったものです。

大人になった今、ネットで調べると、あれはバッタの嘔吐物(いわゆるゲロ)と恐ろしいことが書いてあった。わしらはバッタの嘔吐物を舐めていたのか…。これまでてっきり排泄物(いわゆるションベン)だと思っていたが、そうですか、そっちでしたか…。



最近の子どもはこういうこと経験するのかね。

あのころのわしらにとって、バッタの分泌物や野草のフキ、ツツジの蜜はおやつ代わりだった。泥遊びで土だらけになった手のひらを舐めるとしょっぱかった。今から思えばあの経験は触覚や味覚を養っていたんでしょうなぁ。



私がもし将来子どもを育むようなことがあったら、たぶんバッタの分泌物を舐めてこいとか普通に言うでしょう。甘い、からい、しょっぱい、苦い、すっぱい、まずい、おいしい、そういう感覚はまず自然から味わってもらいたいものです。

まぁ、本気でやると虐待だと思われそうだが。







…昔のようにイノシシとかタヌキとか追っかけて過ごしたい。あのころは楽しかったな。幼少期の無邪気な思い出ばかりを残し、身体だけがすっかり大人になってしまった…。ああ、戻れるなら小学生のころに戻りたい…。


金魚ロスをきっかけに、ピーターパン症候群に駆られている管理人です。俗にいう「喪の仕事」が終わるまでしつこく言い続けるでしょう。

明日、また墓参りに行ってやるか…。



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ひとりごと

  • GYAOで『ペット・セメタリー』を観た。ホラー小説で有名なスティーブン・キング原作である。この手の映画はなぜヤバい奴がいるとわかっている屋敷にひとりで踏み込むのだろう。バラバラにされた人体の一部でも降ってきたらどうするんだ!と思ったが、そんなことはなかった。ちなみにペットとタイトルに名がついているものの、結局一番怖いのは人間だと理解した。
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