今日の報道特集でやってたんだけど、気になったので取り上げてみました。最近の精神科・心療内科は薬に頼りすぎ、その薬のせいで医療事故(OD:オーバードーズ...など)が頻発している、という問題です。
・・・まぁ、確かに薬出しすぎだと思うよ。私は精神科に患者として行ったことはないけど、通院してる人たちの話を聞くと「眠れないって言えばすぐ睡眠薬出してくれる」「何も言わなくても次の1ヶ月分の薬を処方してくれる」などと、おもわず目を丸くするようなことばかり聞きます。おまけに、薬に関してなんの説明もない、とかね。少なくとも「これは副作用で○○という症状が出るかもしれません」ぐらい伝えたらどうかね? それは薬剤師の仕事だし~なんていう奴は医師としての自覚が欠如していると思う。
世の中の馬鹿な精神科医やら心療内科医やらに言いたい。あんたらが医師として患者に出してるのは、抗精神病薬やら抗うつ薬やら抗てんかん薬やら、一歩間違えれば命にかかわる諸刃の剣だということを自覚しているのか?
医師が薬ばっかり出すという理由、私に思いつくのは2つですね。
1つは、カウンセリングが面倒くさい、という理由。カウンセリングっていうのは患者ひとりひとりに合わせ、じっくり時間をかけて話に耳を傾けなければなりません。ただ他人の話を聞き流せばいいわけじゃなく、患者の話をもとに今後の治療方針や見通しを立てねばなりません。楽じゃないのよ、カウンセリングってのは。それが面倒くさい、または適切にカウンセリングする能力がない、という理由でこの段階をはしょり、すべて投薬によって片付けようと思っている医師は薬物療法のみに逃げるでしょうね。
2つ目は、金もうけのため。まぁ、あんまり頻繁にいるわけじゃないですが、わざと依存性の高い薬を患者に処方し、じわじわと薬→自分の病院と依存状態にして金を搾り取る医師がいないわけじゃありません。患者を患者と見ていない、というかそもそも人間として見ていませんね。ああいう薬は依存性が高いから怖いんですよね。薬とカウンセリングその他をうまく組み合わせて、それが患者さんにぴったり合えば素晴らしい治療法になるんですよ。でも、間違った使い方をすると薬だって麻薬と一緒です。死ぬまでやめられない...ということになる可能性はあります。出す人も、飲む人も、その危険性については知っていないといけないと思います。
・・・さっきも言ったけど、薬=悪いってわけじゃなく、うまく使えば薬物療法は素晴らしい治療法になるんですからね。人間味のない人間の手にかかればどんなものでも悪魔の治療法になる、というだけのものです。正しい精神科医の手にかかれば幸をもたらすけど、悪い精神科医の手にかかれば災厄をもたらす・・・って、なんかゲームのキーアイテムみたいだな。トライフォースとか、そのへん。
精神科や心療内科(主に精神科)の実状がこんなことになった理由として、臨床心理士の資格が国家資格になっていないことが挙げられるでしょうね。これは私が大学院卒業後に取得しようと頑張っている資格なんだけど、医師免許みたいに国家資格ではありません。でもまぁ、なりつつあるんだけどね。
この資格は、そもそも受験資格に「心理系の大学院を卒業していること」「特定の科目を履修、単位を取得していること」「実習を○○時間以上行っていること」というのがあります。大学院で理論と実践の両方を積まないと受験することすらできないんだから、けっこうハードルの高い資格だと私は思うんだけどなぁ。
で、本当かどうか知らないけど、この資格がいまだに国家資格になってないのは、「臨床心理士が国家資格になって需要が上がると我々の仕事がなくなる」と危惧した精神医学会が間に入って止めているからだ...という説があります。先生から聞いた話なので本当かどうか知りません。まぁ、整形外科と接骨院がバトルしているようなもんですね。
でまぁ、最近になって国家資格になりつつあるっていうのも、資格の認定を止めていた精神医学会が「このままだと薬物療法依存になってしまう」とようやく危機感に気付いた...という説(あくまで)があります。つまり実践を積まない精神科医が薬物療法に頼り切ってしまい、それによって症状が悪化する患者が増え、こりゃカウンセリングに精通した専門家がいないとさすがにヤバいだろ、ということで臨床心理士の国家資格認定が進み始めてるらしいんですよね。本当なのかなぁ。本当だとしたら、こんな単純なことに気付くのにどれだけの患者さんを犠牲にしてきたんだ、と怒りをぶちまけたい気分ですね。
今日の報道特集では、ODによって自殺した患者さんの家族、17種類もの薬を飲み続けた結果依存症になってしまった患者さんの事例が出ていました。こういうのも大変結構だと思うけど、心理学を学ぶ人間としてはぜひ逆の特集もやっていただきたいですね。
こちらは治療を提供する立場であり、患者さんはいつも被害者、という感じで捉われがちですが、こっち(精神科医、心療内科医、臨床心理士など)だって被害者になることはあるんですよ。だって、私も実習に行く前に賠償保険に入らされましたもん。これ、私が患者さんを傷付けた場合はもちろんですが、患者さんにこっちが怪我させられた場合にも保険がおります。最初はほんまかいな、と思ってたんですが、けっこう臨床の現場って危険と隣り合わせなんですよね・・・
私は経験していませんが聞いたことがあるのを挙げていけば、いきなり衝動的に飛びかかってこられたり、電話口で延々怒鳴られたり、仕事帰りにあとをつけられたり、「個人的な電話番号教えろ」と迫られたり、もっと効果的な治療法を施せと怒られたり、ドタキャンされたり、責められたり、・・・まぁいろいろですね。精神科や相談室というのはそもそも精神のバランスを崩した人が来るところであり、こういうのがあるのは当たり前といえば当たり前なんですが、同時に賠償保険に入るのが当たり前というのにも驚くと思います。子どものプレイセラピーとか特に、スコップ持って振り回したり泥団子を投げつけてきたりするんだから、怖いといえば怖い。
まぁ、そんな危険と隣り合わせな仕事を胃を痛めながらやっているのに、「即効性のある治療をしろ、このヤブが!」などと罵られると悲しくなりますね。心理療法ってのは長期的にじわじわやっていくのが一番いいのであって、パッとやってパッと治る心理療法なんてひとつもありません。さっき挙げた悪い精神科医なんかは知りませんが、こちらはひとりひとりのクライエントの症状を吟味し、治療方針を決め、今後の見通しを立てます。その際にひとりで暴走したらいけないので、スーパーヴァイザーに頼んだりカンファレンスに事例を持ってきたりしてできるだけ多くの人と情報を共有します。もちろん守秘義務は守ります。
・・・そういうことを胃を痛めるほどしているのに、ありがとうございますの言葉もなくそれかよ!? 「即効性を求めるなら病院(なり相談室)に来るな!」と叫びたいのですが、それを言っちゃぁオシマイですからね・・・。黙って受け止めますよ。気の済むまで怒ればいいさ。困るのは私じゃなくアンタなんだから。
ちなみに守秘義務についていえば、今日の報道特集でODによって自殺した患者の家族が医師に対し「自殺するかもしれないということを見抜けなかったのか」と言っていましたが、医師は「自殺の衝動があるかどうかを家族に伝えるのは守秘義務に反するからできませんでした」と答えていました。
さー、あなたはこの医師の対応は正しいと思いますか?
精神科医はわかんないけど、この人が臨床心理士だったら間違ってますね。「日本臨床心理士会倫理綱領」の「秘密保持」のところに書いてあります。「業務上知り得た対象者及び関係者の個人情報及び相談内容については、その内容が自他に危害を加える恐れがある場合又は法による定めがある場合を除き、守秘義務を第一とすること」。自他に危害を加える、つまり患者が自殺を考えているとわかったら、(少なくとも臨床心理士は)秘密保持をかなぐり捨てて家族に伝えなくてはなりません。あとで守秘義務違反だなどと責められても、自殺を食い止めることができたらそれでいいじゃん。規則と他人の命、どっちが大事なんだ!?という話です。前回の記事でも書いたけど、やっぱり大事なのはモラルと本能だ。
・・・精神科医の倫理はどうなってるんだろうな。自殺考えてても守秘義務があったら言っちゃダメ、という規則でもあるんだろうか。少なくとも臨床心理士がこの医師と同じことをしたら絶対ダメです。患者が自殺を企てている、またはこちらに危害を加えようとしている、ということがわかれば速やかに誰かに相談してください。どっちも死んじゃったら元も子もないからね。
・・・とまぁ、大学院にいるとこういう報道が気になって真剣に見てしまいます。こういうのはテレビ局が作るわけだし、「どこまで本当なのかなぁ」という冷めた頭は持ってるんですけどね。「こういう書き方は視聴者に誤解を招くんじゃないの?」と思う場面ももちろんあります。話題を視聴者に提供するという立場であればテレビはやっぱり強いわけで、少々批判を受ける危険性があっても正しい報道を心がけていただきたいです。
私も軽々しく情報に流されないように気を付けないとね。
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